熊本県・玉名温泉

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玉名温泉 竹水苑

単純弱放射能温泉
源泉58.7度
無色透明無味無臭

玉名は熊本の北、福岡県との県境にある程度近いが高速道路の流れからはやや外れた有明海川の町である。熊本市はもちろん、近隣の山鹿市菊池市とも町の纏う雰囲気は異なる。よりこぢんまりとして、ちょっと品が良い、そんなところだ。だから玉名温泉は敷居の低い日帰り湯が数多いというわけではない。立派な旅館があって、そこに宿泊して湯を楽しむべきであるという印象だ。

この度宿泊の機会を得たこの宿はいわゆる高級旅館にあたるのだろう。立派な庭園、素晴らしい部屋、部屋に付く露天湯、と実に申し分ない。受付には猫もいた。

湯について。無色透明無味無臭の、北肥に共通する泉質の湯だが、快適にこしらえられた空間での湯治はかくも素晴らしいものか、と慨嘆せざるをえない。資産があり宿泊する旅館に糸目をつけない人々はこのような世界を楽しんでいるのだ。空間と湯が調和し、滞在する人間に絶対的な満足を与えてくれる。それが必ず終わりに到達する、と知っているからこそ、より貴いものになる。日々、額に汗して労働にいそしむのも、このような一時を掴むためではなかったか、と生活を思い卑屈に曲がった心が、自らが失わせた誇りを取り戻すことができる。

つまり、ああ、高級旅館って素晴らしいね、ということだ。数値的に見ても素晴らしい、源泉温度、フッ素含有量、メタケイ酸含有量、ラドン含有量の四点で、温泉の基準に適応している。

いやはや、今回の幸運に巡り合える日を楽しみにしたいもの。やはり高い旅館は、それだけの理由があるというものだ。
(2015.2)

高級旅館が素晴らしいだなんてそんな身もふたもない・・・
温泉さんには貧乏施設を巡り巡ってもらいたいのに。

貧しさに苦しんで、苦しみぬいて、それでも健気に生きる我々に喜びを与えてほしいです。

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