東京都・六龍鉱泉
さて、一見普通の銭湯のようだけれど、温泉であるというだけあってなかなか良い施設だ。広い脱衣所、それなりに大きなロッカー、のぞける鯉の泳ぐ池、一回20円のレトロなマッサージチェア、伝統のフルーツ牛乳などなど。古き良き昭和を思い出す。
浴室はタイル張りの芸術だ。美しい橋が架けられた絵で、東京に精通していない僕にはわからなかったが、なにか名所の橋なのだろう。このタイル絵を眺めながら入る湯は極上である・・・
湯は消毒臭こそするものの、色はコーヒーのように薄黒い。結構温度が高く、温度計によると浴槽の湯は45度になっていた。これを薄めるための蛇口からは、なんと冷たい源泉がでる。うっすら硫黄臭のようなものまで感じられる。
こういう江戸っ子の銭湯には必ずいる口うるさいクソジジイどもは熱い湯がお好みだから、水で薄めるときは注意しよう。薄めすぎるな、との張り紙もあるが、源泉を出し始めるや、爺どもの視線が突き刺さる。僕の次に鉱泉で埋めたおっさんは、爺どもに絡まれていたほどだ。ああ、あの忌まわしい老いぼれどもに一日も早くお迎えがくるよう。
だが人によってはこのふれあいこそ、古き良き昭和の原風景なのだろう。が、かつての老人と今の気の触れた老いぼれどもが同じ人種とは限るまい、と思う。東京の絶妙な他者との距離感、心地よい孤独に親しみを感じる僕にとっては。
そんなこんなで、この温泉は東京のどまんなかにあって、素晴らしい質を維持していると判断できよう。
(2008.6)
(2008.6)
温泉さん!5年前の記事を引っ張り出してくれてありがとう!
5年前じゃこの施設、あるかどうかわからないですね!
さっき調べてみたら、ネットの情報ではまだあるようですが!
でもその記事が正しいかどうかはわからないですね!