新潟県・新津温泉

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※この中に温泉が。浴室の中では火気厳禁という、恐るべし規定がある。

新津温泉 ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉(石油香)、源泉44.7度

新潟市のちょっと古ぼけたショッピングセンターの裏にある、大変古めかしい建物に、その温泉はある。入り口に新津温泉と力強い筆で書かれた木板があるので一発でわかるだろう。タンクトップのおばあちゃんが浴室まで案内してくれるが、その途中にコタツが雑然と置かれた部屋に、一人ほとんど裸の老人がこちらに背を向けて日向ぼっこしていた。これは完全に、ジモッティの風呂だと確信させられるが、だからこそ、期待も大きくなるというもの。恐れずに浴室へ。

浴室はタイル張りで10人も入れば一杯、湯船も非常に小さい、すでに地元のオヤジたちが大勢入っており、僕が入ってくるや、視線を感じる・・・これはよそ者を見る視線だろう。
壁から突き出た管から源泉がゴボゴボあふれている。そのお湯は僕が思うに新潟一だ。芳しい石油の香りがする、最高の湯だ。香りをかいでいるだけで、ガソリンスタンドにいる気分を味わえる。聞くところによるとかつては石油が発掘されていたのだが、それが尽きると温泉が出てきたとの事。すこし熱めだが源泉かけ流しで、体を包む石油の神秘的な香水が、体内に活を入れてくれる。僕の頭の中でワルキューレ騎行がずっと鳴り響いていた。

ジモッティーノの一人が、東日本大震災後はガソリン臭が強くなったようだといえば、となりのジモッティーノが、いや毎日泉質が変わっているよ、と話していた。事実がどうかは知らないが、震災後新潟県内でも湯が止まったりする温泉があるなか、この新津はますます健在とのこと。
新潟を訪れたら、マダイ船よりも、寿司屋よりも、まずは新津温泉だろう。ここはすばらしすぎる温泉である・・・。新潟県民がうらやましい・・・。

なお、空のペットボトルを一本だけもって入ることができ、源泉をお持ち帰りできる。また、浴場付近では、引火爆発防止のため、禁煙とのこと。ご注意されたいし。
(2011.04)