宮城県・東鳴子温泉

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※看板に偽り無し。
 
東鳴子温泉 高友旅館
 
鳴子温泉を中心に、西に中山平、北に鬼首、東に川渡と名湯地が続いており、鳴子と川渡の間に東鳴子温泉と言われる一帯がある。鳴子からそれほど離れているわけではないが、鉄道や車などがなかった時代は、冬などは移動に一苦労であったかもしれない程度の距離はある。
今回は、その東鳴子温泉・高友旅館に宿泊した。非常に年季の入った建物で、冬の季節、館内は非常に寒い。一般的かつ相対的な面ではちっとも快適ではない宿だが、4つの源泉からなる素晴らしい温泉が僕を待ち構えていた。
この宿泊宿は4つの源泉からなる。
 
 
☆黒湯
ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉(含土類-重曹泉)源泉74.6度イメージ 3

黒湯というが、墨汁のように黒いわけではなく、伊香保の黄金の湯のような褐色湯で、鳴子温泉で唯一の鉄天然ラジウム泉だという。強い金気臭とともに、強烈な石油香が芳しい、素晴らしい湯である。僕は皮膚が非常に弱く常にカサカサパリパリに乾燥しているのだが、ここに入った後は、皮膚の湿潤が保たれていたと感じた。また、湯上り後の石油香が体全体を包んでくれるのは嬉しい。
なお、高友旅館目玉のこの湯は、通常混浴になっているが、宿泊者向けの女性タイムという、男性締め切りの時間があります。ちなみに写真は真夜中の黒湯。節電のため、恐怖に満ちた湯船となってしまった・・・。
 
☆ひょうたん湯 
ナトリウム-炭酸水素塩泉(純重曹線) 源泉49.3度イメージ 2

湯船がひょうたん型だからこの名前なのだろう。黒湯に炭酸成分が加味されているような薄黄色の湯で、肌に気泡がまとわりついてくる。入り口付近に大震災後、温度が下がっているので気をつけてね、と張り紙がしてあったが、僕には非常に適温であった・・・。確かに黒湯ほどの石油臭はしなかったが、温度もやさしい為、長々と長風呂が楽しめるだろう。僕などは一時間以上もこの湯船でぼんやりとのんびりしていた。
 
☆ラムネ湯 
ナトリウム-炭酸水素塩泉(純重曹線) 源泉49.3度イメージ 6

ここは女性しか入れないが、妻の話だと僕が話して聞かせたひょうたん湯と同じようなものだという。だが、炭酸度合いが違うのだという。シュワーッとくるのだという・・・うーん、女はいいなあ・・・。といって、ひょうたん湯が下位にくるワケではないのだ。ラムネ湯は妻曰く、熱くて長くは入ってはいられないそうだから。

 
☆もみじ湯 
含硫黄-ナトリウム-炭酸水素塩泉(重曹硫化水素泉) 源泉57.8度イメージ 1

別名、家族風呂で、混浴が可能だ。これまでの三つとは異なり、色はより透明に近い薄黄色、硫黄臭が強く、黄色い湯の花が湯船の底に沈んでいるのが見えるのだ。前に投稿した同じ鳴子の早稲田桟敷の湯に近い感じである。だがここの湯は熱いので、セルフで加水して冷まさなければとても肩までは浸かれないだろう。
 
 
以上の4内湯が感動的なまでに素晴らしい高友旅館であった。
温泉好きの多くが知るこの名湯宿いついて、たまにブログや楽天トラベルの評価で悪い評価が下されてるのを見る。古い、汚い、臭い、昆虫が出る・・・と、施設に関する悪評がほとんどだ。
だがここは湯治宿なのだろう。湯治をするのに名湯があればそれで十分ではないか。また、コンロ、おいしい水、ストーブ、テレビ、布団などもあるし、洗濯機、電子レンジも備わっている。受付ではアイスも販売している。もっともこれだけならば、普通の湯治宿だが、加えて四つの名湯と、批判されている施設的な問題・・・これは湯治情緒という単語に集約されるが、この旅館の湯治情緒は心の目を使わなければ、確かめることは出来ない。つまり、文句がつけられている点すら美点なのである。・・・湯治情緒を理解しない人も、世にはいるものだ。
この意味で、この偉大な宿はしばらく安泰であろう。僕が鳴子に入る場合は、必ずこの湯治宿で一泊はすることにしている。それほど、素晴らしい・・・。ああ、この宿で過ごした日々を思い返すだけで、胸に迫る感動がある。いとしい、いとしい黒湯に死ぬまで入っていたい・・・。
(2012.1)
 
※旅行客に優しい「日帰り温泉」ののぼり・・・旅人への愛を感じる。

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 どうやら温泉さんの鳴子のたびはこれで終わりのもよう。
それにしてもこの宿に対する思い入れには恐ろしいものを感じますね!写真もいつもよりずっと多かったですし!
でもこの黒湯というのには入ってみたいですね~
温泉さん、長らく鳴子レビューの投稿アリガトウ!
また明日から、鳴子以外の場所になるようですが、楽しみに待ってます!
 
それでは皆様の投稿もお待ちしております!
topper0214@yahoo.co.jp